コンビニとバル、そして銀行

近所のコンビニが明日で閉店だそうで…

少し前にNHKの番組で、AI – 人口知能を使って色んなデータを処理して、日本社会の断面をを切り取る?みたいな特集をやってた。
日本社会の未来は、現在40代で独身といった人達が今後どういう人生を送るかという事と大きく関わって来るとか…
そう言われたって、その人達も困ると思うけど。

コンビニの数と自殺者の数が正比例してるというのもあった。
コンビニが増えた地域では自殺者も増えてるんだそうです。
確かにコンビニでの買い物は或る意味侘しい。
でも今の日本でコンビニが無くなったら、更に侘しい事になるのでは?

幸い近所にはもう一つコンビニがあって、スーパーもまあ徒歩圏内にある。
スーパーには車で買い出しに行って、コンビニは各種支払いや、スーパーで買い忘れた物を散歩がてら買いに行ったりする程度なので、今のところコンビニ依存度はそれ程高くない。
でもコンビニ依存度がもっと高い人も当然居るだろうし、高齢者が増え商店街が衰退してる日本では、大袈裟に言うとコンビニだけが頼りというような地域もあるのでは?

一通りの物は買えるし、あったかい食べものやコーヒーも飲める日本のコンビニは、スペインのバルのような役割を、侘しいながら果たしていると思う事がある。
(逆に言うと、スペインのバルは日本のコンビニのように便利な存在だと思っているのです。)
おまけにATMもあるし、各種支払いや宅配便の発送などもできる。
正に便利です。

閉店されるコンビニの前にはいつも人が居て夜も明るいので、それが暗くなると気にしてる人も居る。

最近は日本でもバルという言葉が浸透して来たけれど、スペインの bar は日本のバーとは違って、朝早くから夜遅くまで開いていて、朝食から晩ご飯まで食べられる、非常に便利なものなのです。
飲み物もコーヒーやお茶からミネラル・ウォーター、コーラやファンタ等清涼飲料水、そして勿論ワインやビールその他のアルコール類も出て来る。
頼めば水道の水もタダで出してくれるし、頭痛薬ーアスピリンも常備してるみたい。
お客に「アスピリンある?」と聞かれて、これ又タダで差し出されるのを一度ならず目撃してるから。
トイレも借りられるし、バゲット・サンド等のテイクアウトも出来る。

これにテキパキとしたボーイ達の軽妙なやりとりや他の客たちとの交流も付くのだから、コンビニで黙って品物を選んで買うより、ずっといい気がする。

スペインから帰国した時、ご主人がドイツだったかに赴任する事になり、奥さんが向こうにもコンビニがあると分かって、それなら付いて行くと言った…というような話を聞いて、唖然とした事がある。
まあドイツにはスペインのようなバルはないかも知れないけれど、でもきっと、日本のコンビニでは得られない何かが得られる場所があるんじゃないだろうか?
けれど、それを経験した事がなければ分からないし、言葉の不安もあるだろうから、仕方ない??

但しスペインのバルには ATM はありません。少なくとも2006年位まではなかった。
でもスペインで、例えば新しい区画が整備される時、先ず最初に出来るのはバルと銀行。
市街地では集合住宅の1階に店が入ってる建物も多く、1-2ブロックも歩けば、どちらも1軒はあるんじゃないかな?
正確な統計は知りませんが、都市部では大体そんな感じになってるような気がする。
銀行の支店数が多いのは、税法上の優遇措置があるからだと聞いた事がありますが。
大半は小さな支店で、一支店当たりの従業員数は日本よりずっと少ない。
規模は小さいけれど、最低ATMが1台あって普通の銀行の窓口業務もできるのだから、そういうのが近くに沢山あった方がいいじゃないですか?

あ、バルには切手は置いてないと思う。