8年目の現実(抜粋)

スペインから日本に帰って来て今年で8年目。
当初はただヘンでしかなかった今の日本社会のディテールのようなもの、
ヘンはヘンなまま、なんでそんなヘンな事をするのか、
日本社会的理屈が少し想像できるようになったのも、7年過ぎて体の細胞が入れ替わったせいですかね?

まあ考えてみれば、日本からスペインに行った時だって、色んな事が分かるのにそれなりの時間はかかった。
例えば自分の気に入った美容院が見つかたり、体調の悪い時に日本から持って来た薬に頼るのでなく、現地のやり方で治せるようになったり、そういう人生の(日常生活のではなく)ノウハウのようなものが揃うには、やっぱりそれなりの年数がかかるワケで…

ただ日本からスペインに行った時は、帰って来た時と比べると、分からない事は分からないまま(ノウハウなしのまま)、すぐ慣れてたよな気もする…

ところで人生を7年周期で捉えるというの、結構普及した考え方らしい。

7年が時に短め、或いは長めになったり、更に女性は7年、男性は8年とか書いてあったりもしますが、要は7~8年毎に人生の転機のようなものが訪れるって説で、

…そう言われるとなんだか、結構当てはまった人生を送っとります。
(でも人生の前半は7年、7年で行ってたのが、後半に入ってから8年強みたいな感じになって来てるのは、歳をとるにつれて細胞の新陳代謝が遅れがちになってるとか? )

スペインで撮り貯めたPALシステムのビデオ、
帰国した頃にはDVDが広まりかけていて、
とにかくマルチシステムのビデオをひとつ買っておかないと見られなくなる可能性があると思い、
先ずビデオのシステム変換機のようなのを買って、
それから暫くしてDVDレコーダーを買って、
テレビと3台グルグル繋いで、
PALシステムのビデオを日本のテレビで見られるように、
そしてそれをDVDに録画して、
マルチのビデオなんていう機械が一般に売られなくなった後でも見られるように残しておこう…

というプロジェクトを始動?したのがやはり7年くらい前。

で幾つかは「PALビデオ→NTSCのDVD」に直したのですが、
一枚作るのに結構時間がかかる…

その後身内のドタドタと仔犬育てのバタバタで、
そんな事やってる時間がない日がかれこれ3年以上?も続き、
最近になってプロジェクト再開しようとしたら

…ビデオが壊れとるん……

ヨーロッパの衛星放送で撮り貯めたバレエやダンスのビデオ、
日本じゃ多分みられないからとにかく撮っておこう、
歳とったらゆ~っくり見ようと、
勤務中に見られないのを録画予約までして撮り貯めて、
海外引越しでお金かけて持って帰って、
日本で見るための機械に又お金かけて、
見る時間がないうちに機械が壊れた。

まヘッドが汚れてるとか、そんなんだとは思いますが…
なんか修理する気が起こらんし…

たまたまケーブルTVで「パリ・オペラ座の全て」というのをやって、
それがなかなか良いの。

要はこういう番組が普段もっと普通に見られて、
ビデオなんかに撮っとかなくてもその都度ゆっくり楽しめる、
それこそがほんとのクォリティ・オブ・ライフ、calidad de vida だな… 

と、

100本以上撮り貯めた(それも1本3~4時間の)ビデオ+それにかけた手間ひま=殆どゼロ、になるかも…
という8年目の現実、なのだ。