時が止まった社会(抜粋)

インターネットで昔知っていた人(で現在はコンタクトがない)たちを検索していて気がついた事: スペイン社会はこの10年で更に変化している。2003年にスペインを去った時にはなかった社会の仕組みが出来ていて、その人たちはその中に自分の居場所をちゃんと確保していたのだ。だから検索にひっかったわけで…

それは主にダンスやバレエのクラスで知り合った人たちで、新しくできたコンセルバトリオなどに、ちゃんと自分の居場所を見つけたみたい。
そして民間の学校なども含めて情報を提供するページが、スペインやヨーロッパの公的な管理の下に、或いは援助を得て作られて充実しつつある…

それに比べると、日本はこの10年で何が変わったのだろう?
大震災は起こったけど…

10年前にスペインから帰国した時、日本社会は時が止まっているのではないかと思った。
その後日本には「失われた10年」というのがあったと知った。
でもその中にずっと居た人達は、それを実感していないように見えた。
それが「フラッシュバック・スペイン」を書いたひとつの動機だったんだよね…

失われた10年は10年で終わらずにずっと続いているんじゃないかと、
それからずっと疑って来たけれど、
それを実感する人は少しづつ増えて来て、
メディアなどでもそういう取り上げ方をするようになって、
名もない個人がホームページやブログで必死で伝えようとしなくてもいい気がして来て…

今日たまたま目にした国会中継のテレビで「失われた20年」と言ったのを聞いた。

スペイン社会はこの10年で変化して、
スペイン人たちはその中で歩み続けている。
でも自分は時が止まった社会に帰って来て、その中で10年が過ぎてしまった。