小鳥の歌

1982年の夏の或る夜、バルセロナの街を歩いてたら、野外コンサートのリハーサルに行き当たった。
オーケストラの前で歌っていたのがモンセラット・カバジェという有名なオペラ歌手だった事、又その時アンコールとして唄われた曲が、バルセロナのあるカタルーニャ地方の民謡で、パブロ・カザルスのチェロ演奏でも有名な「小鳥の歌」だった事も、その時は知らなかった。

スペイン音楽といえばフラメンコ…というイメージとはかなりかけ離れた、でもれっきとしたスペイン音楽。
でその Monserrat Caballé の動画は一杯あるのですが、やはりオペラのアリアとかが多く、これはちょっと見つからないかな…と思った頃に見つけた。
しかも会場が野外コンサートっぽい!(カタルーニャ州政府のパレスと出てるけど)

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周りにはやはり、たまたま通りかかってリハーサルに行き当たり、立ち止まって耳を傾けていた人たちが、かなりの人数になっていた。
アンコール曲に入る前だったか、前奏に入った直後だったか、正面後方で聞いていた誰かが、辺り一面に大きく響き渡るくしゃみをした。
一瞬全てが止まった後、彼女がコロラチュラソプラノで笑い出した。
続いてオーケストラのメンバーや周りで聞いていた人たちも一緒に笑った。
その後の記録はもう朧げだけれど、もう一度やり直してリハーサルは無事終了したと思う。